日本学士院(井村裕夫院長)は12日、梶田隆章さん(60)ら7人を新会員に選んだ。業績が大きい科学者から選ばれ、特別職の国家公務員(非常勤)で任期は終身。年250万円の年金が支給される。会員数は新会員を含め第1部(人文科学)が63人、第2部(自然科学)は71人。新会員は次のみなさん。(敬称略)
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井上正仁(いのうえ・まさひと)東京大名誉教授。刑事手続きでの違法収集証拠の排除や捜査の強制、任意処分を分析。立法や判例にも影響を与えた。70歳。
北川進(きたがわ・すすむ)京都大特別教授。ナノメートルの精度で、規則的な空間構造や形状、機能をもつ多孔性物質を自在に設計、合成できる錯体化学の分野を開いた。68歳。
梶田隆章(かじた・たかあき)東京大教授。宇宙から飛来するニュートリノを観測し、ニュートリノ振動を発見。ノーベル物理学賞を受賞した。60歳。
榊裕之(さかき・ひろゆき)豊田工業大常務理事。半導体の超薄膜で電子の量子効果を研究。ナノエレクトロニクスの発展に先駆的に貢献した。75歳。
笹月健彦(ささづき・たけひこ)九州大特別主幹教授。HLAという分子が免疫応答を制御することを証明。アレルギーなどの感受性の基盤を示した。79歳。
垣添忠生(かきぞえ・ただお)日本対がん協会会長。膀胱(ぼうこう)がんで膀胱全摘除後も尿道から自然排尿が可能な術式を開発。世界初の女性の手術に成功した。78歳。
藤吉好則(ふじよし・よしのり)東京医科歯科大特別栄誉教授。クライオ電子顕微鏡の開発を通して、膜たんぱく質などの立体構造解析に成功。71歳。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル